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修理事例 −ノートパソコンの電源コネクタ−

はじめに

 ノートパソコンを動作させるために、AC電源アダプタを接続します。もちろんバッテリ充電にも必要ですが、パソコン側の接続箇所にあるコネクタが破損しやすいようです。
 アダプタをつないだまま持ち運びする方が案外多いのですが、ぶつけてコネクタを破損すると電源が入らなかったり、接触不良で時折電源が落ちるトラブルが発生します。
 こんなパソコンをお預かりしました。富士通のNBシリーズです。
 ACアダプタを接続すると、左右に動きます。コネクタの根元が壊れかかっているな・・・と推定しました。類似機種を分解したことがあるので、早速修理にとりかかりました。

ノートの分解は大変!

 ノートパソコンは小さなボディに部品を配置しており、分解に苦労します。メーカー別はもちろん、同一メーカーでも発売時期が異なると分解方法も変わります。
 ネジを外す箇所はもちろん、ネジの大きさもすべて記録しながら分解作業をすすめねばなりません。
 バッテリ・外部カバーを外し、キーボード・ハードディスク・光ドライブ・フロッピードライブを全て取り出しました。
 そして液晶パネルを外すと、電子部品がのっているプリント基板(マザーボード)が見えてきました。
 電源コネクタは、マザーボード上にありますが、このままでは見えません。ボードを固定されたフレームから外しました。

異常箇所はここだ!

 ボードの裏面を見ると、ハンダ付け部のハンダが少なくなり、外れかかっていました。左下写真の○で囲んだ箇所を拡大したものが、右下写真です。
 写真裏にあるコネクタを指で触れると、簡単に動いてしまいます。
 他のハンダ付け箇所と色も異なります。コネクタ部に力が加わって亀裂(クラック)が生じ、接触抵抗によって加熱されて高温になったのではないかと思われます。
 基板と周辺部には変色はなく、比較的軽度の故障でした。
 早速残りのハンダを除去し、新しいハンダを追加しました。今度はコネクタ部に触れてもビクともしません。組み立てなおし、正常動作を確認しました。

ケーブル類にはご注意を

 ACアダプタ部のコネクタだけでなく、USBコネクタ部も破損しやすいので、取り扱いにご注意下さい。
 メーカー修理の場合、マザーボードを丸ごと交換します。USBコネクタ部だけ別の基板で構成し、修理を容易にしている機種もあります。・・・・ということは、破損トラブルが多いわけです。
 マザーボード交換は5、6万円かかるのが一般的ですから、ユーザーには納得いかないと思います。
 たったこれだけなのに、何故直さないの?と思われるでしょうが、メーカーは他の部品の寿命を含めて異常の再発を防ぎ、作業時間短縮を図るべくボード丸ごと交換を推奨するのです。
 今回は分解・ハンダ付けの作業料だけなので、マザーボード交換の1/3程度の費用をいただきました。費用の大半は、分解・組立の手間賃です。
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