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修理事例 −ノートパソコンの液晶修理−

はじめに

 お客様からノートパソコンMECのLL750/7をいただきました。液晶表示が正常に出ないそうです。
 以前違う箇所をメーカー修理しており、5万円程度の費用を払ったとか。さらにこのトラブルで出費がかさむらしい・・・・と買い換えたのだそうです。
 持ち帰り、手持ちのACアダプタを接続して不具合を確認しました。

外部ディスプレイで表示はOK

 電源を入れると、中で動作音が聞こえますが液晶表示はメチャクチャです。外部モニタ端子に手持ちのディスプレイを接続したら、正常に表示しました。
 不良箇所が少し絞り込めたので、分解していきます。液晶表示部だけの問題と短絡的に考えてはいけません。手持ちのパソコンでは下の基板側が原因らしい不良も経験しています。ウインドウズより前に動作する基本ソフトプログラム(BIOS)の異常でも発生したことがあります。
 液晶部だけを交換しただけで(これも至難のワザですが)直る保証はありません。
液晶の不具合状況
 ネジを30本程度外し、とことん分解しました。(下写真)
 分解は各業者のノウハウで、詳細は書けませんが、キーボードを時計ドライバで外すところが注意ポイントです。他のNEC製品に比べて樹脂パーツが硬く、力を入れると割れてしまうのではないか・・・とヒヤヒヤものでした。
 各種パーツも汚れており(湿気の影響?)、気になる箇所はクリーニングしました。キーボードのクリーニングのみ別のページでご紹介します。   <こちら をご覧下さい>
 目で見た限り、異常らしきパーツは見当たりません。再度組立て、液晶部と本体基板(マザーボード)の接続コネクタも洗浄しましたが、異常は直りませんでした。
全て分解!

液晶パネル部の接触不良!

 クリーニングついでにケースのクリーニングをしました。もちろん液晶部は閉じたままです。さて、再度チェックを・・・・と電源を入れたら、液晶表示が正常になりました!
突如復帰
 再び分解、マザーボードへ接続された配線ケーブルが断線しかかっているのか?と確認しましたが、目だったキズはありません。表示部の開閉を繰り返しても変化ありません。
 1日そのまま使いましたが、その後突然トラブルが再発しました。液晶部を両端から手前に曲げる力を加えた時でした。
 微妙な問題なので接触不良の疑いが強いと推定、液晶部を分解して調べたところ、表示部裏の液晶パネルと本体を接続するコネクタの接触不良と判明しました。
 (左下が液晶部の裏面、右下がコネクタを拡大した写真)
 アルコール洗浄を行い、差し込んだら正常になりました。今度は力を加えても異常は出ません。
液晶表示部の背面パネルを外す液晶と本体の接続部

一般の方は真似をしないで下さい

 メーカーでは、本例のような修理は一切行ないません。液晶部のユニットを丸ごと交換します。修理料金は8-10万くらいですから、多くのユーザーは買い替えてしまいます。
 私も、修理で直る保証が無いリスクの高い作業なので、ダメで元々・・・というお客様のみ、ご相談に応じています。
 液晶部の周辺カバーも、樹脂パーツのはめこみです。ネジを取り、隙間にプラスチックのヘラのようなものを入れて慎重に分けないと簡単に割れてしまいます。
 液晶は光りません。液晶画面が明るく見えるのは、細長い蛍光管(バックライト)が液晶の上下いずれかに入っているからです。太さ2-3mmで、画面幅くらいの長さの蛍光灯と思っていただければ分かりやすいでしょう。
 蛍光灯を点灯させるために、高電圧を発生させるインバータが内蔵されています。数百Vの高電圧が出るので、感電するとそれなりに衝撃があります
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